任意売却と競売の違いは?競売のほうがデメリットが多いって本当?
住宅ローンの支払いが難しくなってきたときには、お家を手放すことも考えなければならないでしょう。そんなときに気になるのが、任意売却と競売の違いについてです。どちらも聞き馴染みがなく、同じようなものだと思っている方も多いかもしれませんね。今回はそんな方のために、任意売却と競売の違いについて、詳しく解説します。
任意売却と競売の違いとは
任意売却とは、売却手段のひとつです。住宅ローンの支払いができなくなった場合、売却する額がローンの残債に届かなくても、物件を売却できます。債務者と債権者が協議の上で、売却を進めることができるのが特徴です。一方、競売とは、住宅ローンの支払いができなくなったときに、担保となっている土地や不動産を、裁判所を通して強制売却することを指します。
裁判所が間に入るため、当事者の意思にかかわりなく手続きが進んでいくという特徴をもちます。この時点でも違いがありますが、ここではさらに詳しく、両者を比較するときのポイントをみていくことにいたしましょう。
まずは、売却の価格についてです。任意売却の場合、価格は市場に近いもので売却できることが多いでしょう。その分、残債を少なくできることは任意売却のメリットとしても知られています。
反対に、競売の価格は市場価格の7割前後であることが多く、残債もその分、多く残ります。返済に関しては任意売却が無理のない範囲で分割できるのに対し、競売では一括返済を求められることもあります。
また、任意売却では通常の不動産売却と同じ方法で売却活動が行われるため周囲に事情を知られる心配もありませんが、競売では売却理由も知られてしまうことでしょう。
協議を行って引っ越しの日もある程度調整できる任意売却に対し、競売では調整も効きません。売却活動を行わなければならないなど、任意売却にもデメリットはあるものの、競売のデメリットと比べれば小さく感じられる方も多いのではないでしょうか。
任意売却がおすすめのケースとは
次に、任意売却がおすすめといえるケースについて確認をしておきましょう。たとえば、住宅ローンを支払うことが厳しくなり、滞納をし始めたばかりという方は、任意売却の検討もおすすめといえます。任意売却には手続きできる期間に余裕があるためです。督促状などが届いている段階で任意売却の意思を伝えれば、手続きもスムーズに進められることでしょう。
次に、不動産以外の財産まで手放したくないという方も挙げることができます。競売の売却価格は任意売却よりも少ない傾向にあるため、多くの残債が残ってしまう可能性があります。場合によっては自己破産をしなければならない、という状況に陥ることもあるでしょう。任意売却をしておけば、そのようなことは避けられるかもしれません。
また、病気で働ける状況ではなくなってしまった方も、任意売却を検討すべきかもしれません。長期に渡って住宅ローンを支払うことができないと、競売の手続きへと進んでしまうためです。
そのほか、自営業をしている方で、住宅ローンと事業資金の返済が厳しいという方も、任意売却の検討がおすすめとなるでしょう。住宅ローンの負担を減らすことができれば、乗り切れるかもしれません。間違っても消費者金融などでその場をしのぎ、借金を増やしてしまうことだけは避けたいですね。
可能であれば任意売却の相談をしよう!
「住宅ローンを支払うことができない!」という状況になると焦ってしまうと思いますが、できるだけ素早く決断ができるよう、冷静になって検討も進めていくようにしましょう。可能であれば、任意売却の相談をしてみるのがおすすめです。競売にも、任意売却をする場合よりも長く住み続けられるなど、メリットがないわけではありません。
しかし、生活の再スタートを切ることを考えると、やはり大変になるでしょう。これからの生活のことも考えると、やはり積極的に任意売却を検討するのがベターです。任意売却ができる期間には限りがありますから、迷っている方はぜひ、悔いの残らないよう行動を開始してください。
任意売却は、サポートをしてくれる業者もたくさん存在します。無料相談などを利用できるところも多いです。不安や疑問がある方は、そのようなサービスを活用してみてもいいでしょう。
実際にサポートをお願いする業者を選ぶ際には、実績などをみて、任意売却に強い業者を選ぶことも重要です。専門家とのネットワークがあったり、交渉過程などを提示してくれたりする業者であれば信頼にもつなげられるでしょう。安心して売却をするために、業者選びにはしっかりと力を入れるようにしたいですね。
任意売却と競売の違いについて、理解が得られたと思います。住宅ローンの支払いが厳しく感じられるようになってきたときには、できるだけ任意売却について考えてみるのがおすすめです。無料査定や相談を受け付けているサポート業者もたくさんあるので、迷っている方は利用も検討してみてください。もちろん実際にお願いするときにはさまざまな業者を比較して、任意売却に強く、信頼できるところに頼むことも忘れないでくださいね。